ラスベガスに到着したサーを驚かせたのは、あまりのスティッチの平静振りであった。 確保とは名ばかりの任意の取り調べ。 「クレアの失踪について知っている情報を教えて欲しい」 そう話したサーにスティッチは笑顔で言った。 「なる程……、連続殺人の仮容疑者って訳ですか?」 先を越されたサーは、 (回りくどい問答は不要だな……) そう考えを改めた。 このSpeedy(素早い)な切り替えこそが、犯罪大国アメリカで特殊捜査を担う組織の上官である所以なのだった。