詩織は何度も「ごめんなさい」と言う言葉をくり返していた。 ただ繰り返される“謝罪” これほどまでに言動が一致しない事もそうはない。 次に吉行は、その横に眠っている夏風が目に入った。 詩織は涙を流しながら、それでも尚、腰を振りながら、 「ごめんなさい」 「ごめんなさい」 「ごめんなさい」 と繰り返していた。 そして最後に、「夏風がいけないのよ……」と付け足した。 腕のガラスケースは直後、手から滑り落ち、割れたガラス片と一緒に女雛の首がコロコロと転がった。