詩織の安易な認識による悪夢はその部屋でも終わらなかった。 いや、快楽と云う報酬に目が眩んだ時点から悪夢は始まっていたのである。 力の抜けた詩織の服を脱がせ、ベッドに寝かせた正人は優しい口調で言った。 「産めばいいじゃん……」 詩織は静かに正人を見た。