実際、詩織からの援助がなくなってしまえば、正人は途端に破綻し、その後に待っているのは悲惨な生活しかない。 それは正人にはわかっていた。 そして詩織がそうであったように……、 正人にとっても彼女は“道具”でしかないのである。