気持ちに変化があるのなら、所詮は愛なんて虚言じゃないか……と。 全ての物事は、その場しのぎの“形”だけの“経過だ”……と。 永劫残る真実なんてないじゃないか……と。 ならば騙し騙し、今の“形”だけを取り繕えば、取り繕えさえすれば、全てが上手く行くのだ……と。 そんな吉行に、その後もたらされた吉報は、彼の歪んだ思考に“強引”に割り込んだ。 「吉行……愛の結晶よ。赤ちゃんがいるの……今、お腹に。」 吉行が手にした写真には、透けて見える程の小さな“存在”が映っていた。