詩織に目覚めた性欲は、吉行への愛情と共に成熟し、平行線を辿りながらも……


いつしかそのグラフは“交差”していた。


愛情が廃れた訳では決してない。

ただただ、性的欲求の向上が愛情をも超えてしまったのである。


図を持たない交わったグラフ。

詩織はその接点から上の部分を、正人の身体で満たしながら時を過ごした。