この、本来なら絶対的な嫌悪の対象になるであろうスティッチの“Egoism(エゴイズム)”。
しかしクレアの脳は、それすらも“魅力”と解釈した。
ノーラとのいきさつが無ければ、眩しいばかりの魅力にしか反応しなかったであろう。
しかし今、自らも心に芽生えさせている異常な“闇”。
その闇に放り込まれたスティッチの“真実”の姿は、クレアの全てすら覆い尽くす程黒く深かった。
蒼白なまでのスティッチのImage(イメージ)の中の一点の暗黒。
愛しい男のその闇の実態と深さを、処女を捧げたその時に、胸の中に抱かれながら打ち明けられたクレアは、その闇の底に堕ちていた。
いや、スティッチが堕としたのだ。


