思いがけない言葉にクレアは一瞬顔を上げ、驚いたように聞き返した。
「え?スティッチ、貴方が何ですって?殺した?」
確かにクレアはスティッチの狂気の様を目にしていた。
更にその場へノーラを誘導し、望み通りの悲鳴を確認した後、予想を超える成果を手に入れた。
しかし、一部始終を目視していた訳ではない。
クレアはスティッチの言葉に動揺の色を見せた。
スティッチは当然“嘘”を付いた訳であるが、クレアの“動揺”を見逃す事はなかった。
(クレア……、あの日のノーラの死に関わっているんだね。恐らくは近くに居て確認したんだろう)


