引き籠もりながらクレアが考えていたのは、いつもスティッチの事であった。 スティッチを最後に見た時のあの異様な雰囲気。 それはクレアが知っているスティッチではなかったからである。 好青年を絵に描いたようなスティッチが発していた“狂”のオーラ。 ノーラへの仕返しと、その後の事態に掻き消されていたが、あの時のスティッチの刺さるような目つきを思うとゾクゾクと電気が走るのだ。 まるで全身が狂気であり凶器に見えたあの時のスティッチが、クレアにとって一番魅力的に思えていた。