詩織にとって、男の体や行為そのものが初めての経験である。 しかし、初めての経験は詩織だけではなく、吉行もまた今までに処女を抱いた事がなかったのである。 初めての夜、詩織は激痛に顔を歪めながら吉行にしがみついた。 吉行は無理に行為に及ばず、一つになったままただ抱き合い、何度も互いにキスを交わした。 その日から吉行は少しづつ詩織の体を本来の女性のそれに変えていった。 自分の型に嵌めるように。