庭の花壇で種から育てた花を春になると無心に摘み取り、開いたばかりの花弁を一枚一枚剥ぎ取った。

夏には広がる青空を懸命にノートに描き、出来上がった素晴らしい絵画をママに誉めて貰う前に破り捨てた。

冬になると早起きをして、降り積もったふわふわと柔らかな新雪の上を、キュッキュッと音を立てながら踏み潰す様に歩くのが日課だった。

水溜まりに張った薄い氷。
屋根から垂れ下がった氷柱。

それらを破壊しては自らの欲求不満を落ち着けた。