恋愛を美化する彼女にして、それを満たしきる術を知っていた吉行は、彼女にとって魅力極まる存在であった。
社会においての立ち振る舞いはおろか、スタイルやファッション、ユーモアのセンスは時にシュールに、時に悪戯っぽく彼女を惹き付け、零れる愛の言葉には存分に酔わされた。
理想的な恋愛を手に入れた彼女がとりわけ虜にさせられたのは身体による愛情表現であった。
男を知らなかった詩織にとって、吉行のセックスアピールは一番の魅力であり、そのテクニックは短期間で彼女を登り詰めらせるに至った。
彼女はそこに愛を感じた。


