JUNK LAND【→】


恋愛感は理想を高め、美化されながらも開花される時は訪れなかった。

強制的に貞操を守らされて来た彼女はいつしか恋をする自分に憧れを抱きつつ、自らが歩む清楚で退屈な日々からの解放を夢見て過ごした。


吉行との出会いは詩織にとって運命を感じさせた。

若くしてすでに社会においての成功をおさめていた彼は、同じく上流での出会いを可能にした。

詩織が自分の住む世界で唯一心を奪われた瞬間であった。