水に絵の具を溶かしたような雲が浮かぶ茜色をした空は、カナタへと繋がっている道。 今、何をして、どこにいて、誰といる? 優しい風に彼を描いていた。 「確かに綺麗だな」 中田の珍しく真面目な感じの口調が聞こえたと思ったら、「でも俺は、飯の方が良いな!」だって。 その続けられた言葉に、がっくと肩を落とした。 「腹ペコ青虫なんで。さっさと配達終えて家に帰りますわ。んじゃっ」 そう言って立ち上がり、ヘラヘラと笑いながら去っていく。