窓際に行き午後の空を仰いで、強くなりたいという思いが頭をよぎる。


どんな風に吹かれても、自然とその流れに乗って飛んでいけるあの鳥のようになりたい。



目を閉じて、森りんが言っていたように、未来の自分を想像してみた。


こっちだよって笑いながら、手招きしてくれている姿をイメージした。


ブーブーブー


その時、机の上の携帯が震えたから画面を覗き込む。


それは広島の友達からの着信で、すぐに出た。



「もしもし茜…!」

『久しぶり。元気しとる?』


一声聞くだけで、泣きそうになった。



懐かしくて、優しくて、その声は忘れかけていた温かさを思い出させてくれるみたいだった。


「…うん」


『ホンマ?何か元気ないように思える』



茜はするどい。



何も言わなくても、こうやって私の変化に気づくのだ。