「凄まじいくしゃみだったな。お前のせいで合奏止まったし」



部活終了後に咲が駆け寄ってきて、何を言ってくれるのかと思ったら、嫌味な発言だ。


予想的中だったけどがっくり。


肩を落として、大きなため息をひとつついた。



「ハァ。桜ちゃんは、すぐに“大丈夫?”って声かけてくれたんだよ。それに比べて咲はそういう風に...」


「へっ。俺が心配するのは未紗以外の人って決めてんの。桜姫、未紗のことなんて心配しなくて良いんだよぉ」


「わわっ!」


咲が勢いよく抱きつきながら言ったから、桜ちゃんは体勢を崩しかけた。



私は「困ってるよ」と言って苦笑する。



部活はこんな感じで時間が流れていく。



決して穏やかとは言えないが、平和で幸せな空間。


ここで過ごす時間がとても好き。