「じゃあ、未紗はまだ夕食を食べていないのね?」

「あ、そうだった」



結局、むすびは買わずにコンビニを出てしまったから。



でも今まで、夕食を食べていないことを忘れていた。



幸せでおなかいっぱいだったんだ。




「カレーの残り温めようね」

「食べたい。ありがとう」



テーブルに頬杖をついて宙を仰いだ。



うふふ。にやにや。


顔がにやけちゃうよぉ。




遅めの夕食を終え、お風呂に入ったけど、寝付けそうになかったので、部屋のコンポでShooting StarのCDを再生した。


耳元のイヤホンからカナタの歌声が届いてくる。



音楽の波に身を揺らしながら、きっと昨夜見た夢は今日の出来事を予言してくれていたんだと思った。




「……また、会いたいよ」



CDジャケットの彼に向けて、そっと呟いた。