「聞いてくれなくて、結構コケッコーです。それじゃあ、今から電車乗って帰るから。さようなら」
コイツがどうしてここにいるのかとか、そういうのはどうでもよくなっていた。
とにかくこれ以上は話したくない。
言いたいことはただひとつ。
私のフワフワタイムを邪魔しないで!!
「めんご~!実は俺っちも帰るとこで、これから電車乗るのよー」
ゲゲッ
最寄駅が一緒だから、向かう方向が同じなのはいうまでもない。
「私、急いでるから先行くね。バイバイ」
目の前の信号が青に変わったと同時に、一目散に駆け出した。
50m走のタイムが6秒のこの私に、中田が追いつけるわけがないだろう。

