とびっきり、片思い。




どうして、超幸せ気分の時に限って超嫌な奴に会うのかな。



一番望んでいない、最悪のパターンだよ。



「俺もびっくりだぜ。こんなとこで、妖怪ツインテールに会うとはな」


「ねぇ、妖怪の部分はなんなわけ?ツインテールはふたつ結びしてるからだろうけどさ。それに、さっき言ってた“つぶつぶ”って何?“ぶつぶつ”でしょう?」


「だってお前、妖怪だろ?つぶつぶは、俺っち流の言葉なの」


「妖怪じゃないし」


「ふふ」



出た。
お願いだから、私の前ではやめてもらいたい、気持ちの悪い笑い方ナンバーワンだ。



「知ってる?独り言ってさ、バァさん時代の始まりなんだぜ」


「はぁ?」


「ま、いいや。それより、さっき何て言ってたの?俺が聞いてやって、独り言じゃなくしてやるよ」



いや、いやいやいや...

話したくもないアンタなんかに。


その思いを込めて、全力で首を横に振った。