「それ、お会計まだだよね?」 視線を自分の手元に落とすと、むすびを持ったままだった。 「ご、ごめんなさい。そんなつもりは全くなくって…」 おじさんの眉間にシワが寄っていて、かなり怖い。 絶対に誤解されてる。 「ええっと……だから、その……」 ドキドキドキ、背中に嫌な汗が流れ始める。 「これ、買いません。すみません!」 レジカウンターに置いてから走って店を出た。