「やってみるよ。けど、あんま期待はしないでな」


銃を構える俺に、頑張って!とエールを送る。


変に高鳴る鼓動のリズムを落ち着かせようと、一回目を閉じて深呼吸をした。


精神統一だ。一点だけに集中して、射る。


パンッ!


一発目、目当ての景品の端を玉が掠っただけだった。


「惜しい!」


森川が叫んだ。


そして2発、3発....落とせない。


俺に向けて森川は遠慮がちに言った。


「やっぱり難しいよね。あと2発だし、好きなの狙ってね」


頷きながらも、俺にはもうそれしか見えていなかった。


人生ゲームとってやりたいな。


パンッ!


4発目を発射した時、人生ゲームの隣にあったクマのキャラクターの貯金箱が視界から消えた。


どうやら俺が撃ち落としたらしい。


「キャー!中田すごい!!」


森川がピョンピョンと飛び跳ねている。


その姿を見て気が抜けてしまったのか、5発目はターゲットをココアシュガレットに変えて、撃ち落とした。