「あ━━━━!!フルート落ちそう」
目の前で響いた、咲の鋭く大きな声にはっとした。
もう少し遅かったら、手から落ちてしまうところだったらしい。
危機一髪のところで、咲が手で支えてくれ、無事だった。
「しっかりしろよ。定期演奏会もうすぐなんだし、男のことでボーっとしてる場合かよ」
男のことって、別にそんなんじゃ…
反論したくなったけど、間違いではないから言い返せない。
「そうだよね。今は練習に集中しなきゃね」
自分に言い聞かせるように言ったんだ。
秋の定期演奏会はもうすぐそこだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…