「夢叶…、なにやってんだよ?もぉ、球場閉まるぞ」 後ろから、キレイな低音の声 振り向かなくてもわかった ――秀哉君だってこと。 「ねぇ、秀哉君。私ね、あなたになんて声をかけたらいいかわからないよっ…」 前を向きながらただ、呟くように言った。 「…なにも言うなよ。なにも」 ――でも、言いたいことが一つだけ… 「秀哉君、お疲れ様。かっこよかったよ」 自分が思ったことを正直に言った。