「なんでもっと早く出ねえの?」


「私、今学校なんだけど! 何考えてんの」


「ああ、知ってるよ。今授業終わっただろ、オモテ出て来い」


「……え?」


なに、その口ぶり、


まるですぐそばにいるような……


と不思議に思って、電話を切る。


と。



「ちょっと、あれ誰の彼氏?」


「絹川学園の制服じゃん、カッコいいんだけど!」


窓際が、急に騒がしくなった。