「とにかく、こいつの身柄は俺があずかる」 そして ぐいっ 私の涙を無理やり、手の甲でぬぐった。 「もう泣くんじゃねえ」 低くて尖った声。 だけど不思議に、少しだけ。 こころが落ち着いた。 「お前、もうあそこで踊るのやめろ」 「え……でも」 私は思わず表情を曇らせる。 あそこで踊れなくなる、なんて。 そんなの……いやだ。 ダンスは生活の一部なのに。