当たり前だけど、すっごく、怖かった。

足がすくんだ。

だって、私以外に誰もいないと思った。



こんな真っ暗な、地下道。

人がいるなんて……

「上手いじゃん」


そいつは。

何も言えずに立ち尽くす私の手首を

ぐっとつかんだ。