遼太郎は私とキョーヤの間をへだてるように、一歩踏み出した。
「お前、ホミと付き合ってるのか?」
「もちろん」
キョーヤはあっさり答える。
「ち、ちがうでしょーが! テキトーなこと言わないでよ!」
私は思わず声を上げた。
遼太郎は私たちを見比べて、静かに言う。
「どういうつもりか知らないが、ホミを振り回すのはやめてくれるか。
彼氏でもないなら弄ぶな。
もしも彼氏なら……彼女のことはちゃんと考えてやれ」
その言葉を、キョーヤは黙って聞いていた。
鋭い目をじっと、遼太郎に投げかけて、そのまま肩をすくめる。
そしてさらっと、こんなことを尋ねた。
「遼太郎って言ったっけ?
お前、ホミのこと好きなの?」
