「あ?」
その言葉に、キョーヤがぴくっと片眉を上げた。
「しっかり聞こえたわけじゃないが、昼間
『あんたがどうして、水瀬キョーヤに構われんのよ』
そう言って切れてるやつがいただろ。
こいつのせいで、要らん恨みを買ってるんじゃないのか」
遼太郎の言葉に、キョーヤの顔がほんの少しゆがんだ、気がした。
私に向き直って、尋ねる。
「ホミ、本当か?」
すぐにはうなずけず、私がためらうと、遼太郎が言葉を続けた。
「絹川の制服きた男が、ここのところ毎日、ウチの一年を迎えに来てバイクに乗せて帰る、っていうのは、二年の間でもバスケ部でも噂になってた。
まさかホミの事だとは思わなかったが」
遼太郎も、知ってたんだ。
ていうかそんなに、噂だったんだ……
