すでに二人は、火花を散らしてにらみ合っていた。 「何でこいつと帰ってんの? 友達って男かよ?」 とキョーヤがすごめば 「他校の奴は黙っててくれるか?」 遼太郎も負けじと挑発する。 「つかお前、ホミの何だよ」 「こっちのセリフだ……ああなるほど、もしかしてお前」 遼太郎は、制服を着崩したキョーヤを上から下まで観察して、言った。 「お前が水瀬キョーヤ、か」 納得したようにふっと息をつく。 「え? 何で知ってるの?」 「ホミ、お前のクラスで妙なもめごと起こってるのは、こいつのせいだろ?」