そのバイクは。 私の真横で、とまった。 ほのかに香る、エンジンオイルのにおい。 どるるる、とアイドリングの音。 もう、顔を見なくてもわかってる。 「ホミ、お前何してんだ?」 怒りのオーラに満ち満ちた、その声。 もちろん、待ち合わせ相手の良太郎じゃ、ない。 「キョーヤ……」