オイルと錆びた金属と潮の香りがする 廃倉庫の隙間に 一台の車がとめてあった。 昨日、キョーヤが乗ってたのとは違う。 あんまり改造されてるようには見えない、普通のセダン。 「早く乗れ」 最低限の言葉で、シンがせかす。 ムッとしながら後部シートに乗って。 すぐにエンジンがかけられて、車は走りだした。