「なんでこんな小さい村に来たんかな?」


「まあまあ、忙しくて息抜きにでも来たんやろ。そっとしといたげようや」


でーんさんが熱燗を用意しながら言いました。


翌朝。
本屋のしずっちさんは、いつもより早く目覚め、朝から散歩です。

旅館の前まできた時です。


「なんなの?昨晩はゆっくりお風呂にも入れなかったわ」

「夜中はヘタクソな歌で眠れやしないし」


朝も早いのに荷物を抱えた宿泊客が数組、愚痴を言いながら出てきました。