トライアングル

「わぁーーーキレイ!」


「だな。」




直に後ろから抱き締められたまま…



夜空に光る満開の花たち…



消えてはまた開き…次々に打ち上げられてく




静かに花火を見ていると、横から視線を

感じてそっちを見ると、直の切ない視線と

交わった。




「直…?」


「ん?」


「花火見ないの?」


「見てるよ。花火を見てる鈴も見たいから…」


「もう…直…」




直は…




どんだけ私をスキなの?




ううん、違うか。



小さい頃の切ない記憶がまだ心の中に

染み着いていて…



私といるって言う幸せを一瞬一瞬を

噛み締めているのかな?



さっきの話を聞いた後だから



そんな気がした…




直の独占欲と不安感はそこから来るのかも

しれないな。




直が安心するには、どーすればいいんだろう…





そんなことを思いながら、花火を

見つめていた…