貴方に夢を。私に心を。


うん、やっぱり幸平が淹れた紅茶は美味しい。



「あ、あのう?」



やっと動けるようになったのか、恐る恐る柚が声を上げる。



さすがにもう聞かずにはいられなくなったようね。



「どうしたの?」



幸平だと怖がられるらしいから私が聞き返す。



「え、えーと。レイちゃんと理事長の関係って?」



まあ、気になるわよね。



「知り合いよ。」



嘘…はついてない。



「へ?へえー。そうなんだー。」



柚が空気が読める子で良かった。



……これ以上聞かれても、何も答えないから。



答えられないから。