「ええ。お気に入りの子、見つけちゃったの。」



ペロッと舌を出す



「お気に入りの子…ね…。」



名前は知らないけれど、



「もう一度…」



会いたいわね…。



「ん?」



でも、自分らしくなくて口を閉ざした。



「お。そろそろ入学式が始まるよ。」



あぁ、もうそんな時間か。



「そう。じゃあ行くわ。」



幸平に背を向け、歩き出す。



ドアノブに手を掛けた時、後ろから声がかかる。