貴方に夢を。私に心を。


「そう、良かった。」



フワッと柔らかく微笑む。



顔が赤くなるのを感じながら勢い良く頭を下げた。



「あ、あの‼︎助けて下さってありがとうございました!」




そう言えば、聞こえるのはクスクス笑う声。



「私はただ声を掛けただけよ?大した事じゃないわ。」



大袈裟よ、と笑う仕草は同じ人間とは思えない色気を醸し出していてぼーと見惚れる。



不意にその人は、クルッと私に背を向け学校へ歩き出した。



えっ⁉︎この状況で置いてくの⁉︎



私の事は、スルーなの⁉︎