帰りまでに乾くかな? どうでもいいことが頭を過ぎっては通り過ぎて行く。 なんとなく、手を目の前に持ち上げた。 それだけのことなのに、何秒もかけてやっと動かす。 そう思ったら、少し笑えた。 「あー、あ。」 手も、声も、不安定に揺れる。 海の中なんじゃないかなんてバカなことを思った。 ポツリ、口をついて言葉が落ちた。 「…………茜…。」 頬を伝う暖かいものは、かけられた水だと自分に言い聞かせた。