貴方に夢を。私に心を。


入れる程大きくない浜がホテルの裏にはある。



そこに行ってみることにした。



空を見れば、月がぼんやりと浮かんでいる。



満月より少し欠けていて、私みたいだな。と笑った。



私も月と同じ。



一度、満たされてしまえばあとは欠けるだけ。



と、そこで先客がいたことに気付いた。



その人は押し引きを繰り返す波をただじっと見つめている。



「ねえ。」



声を掛けると肩を大袈裟にびくりと揺らす。



「ふふ。大丈夫、麗華よ。」