「ありがとう。」 幸平の心遣いは正直言って嬉しい。 だから、素直にお礼を言った。 「こんなことだったら、お安い御用だよ。お姫様。」 幸平は紳士的に一礼して、「またね。」と先にホテルに入って行った。 春が幸平が行った方向を見て一言。 「理事長って、レーちゃんに激甘だよねぇ。」 激甘って……。 「はいはい、それよりもまずはお仕事。」 後ろをクルリと振り返るとそこには生徒達を乗せたバス。 私達の仕事は玄関が詰まらないようにスムーズに動かすこと。