「分かってるんでしょう?」 洋平は幸平の兄、富田コーポレーションの社長だって。 やっぱり分かっていたらしく、さらに顔を引きつらせた。 「大丈夫よ。死ぬことはないから。」 安心させるつもりが逆に怖がらせてしまったよう。 幸平と私と啓以外の顔が真っ青になった。 「麗華、それじゃあ意味ないよ。」 幸平が私を諭す。 でも、幸平はもっと精神的ダメージを皆に与えた。