しんとした廊下を一人進む。
うぅ・・・
誰もいない学校って、ちょっと怖いなぁ・・・
階段を昇り、生徒会室についた。
扉を開ける。
悠先輩はもう部屋にいた。
いた。
いたんだけど・・・
「寝てる・・・」
ソファで丸くなってネコみたいに眠っている。
「せんぱーーい」
声を掛けると「ん・・・」と目を細く開き、大きく欠伸をした。
少し涙目になってる。
か・・・っ、
かわいい・・・!
「おはよ」
「おはようございます」
なんか変な感じ。
ちょっと寝惚けた悠先輩は、やっぱり格好よくて。
「オマエ・・・昨日、何でメール返事しなかったんだよ」
拗ねたような口調で言うのはまだ寝惚けてるのか。
「って言うか、先輩こそ、勝手にアドレス登録するなんて酷いですよ。」
文句を言う私に先輩は、
「オマエに拒否権はない」
と言い放った。
「はぁ!?しかもこんな早朝に呼び出すなんて、何考えてんですか?!」
「うるせぇ。黙ってろ」
「そんな事言うんだったら、もう一切喋りませんよ」
「屁理屈」
「じゃあもう私帰ります」
がしっ
「おまえ、捕まえられるの好きだな?」
さっきまでのちょっといい雰囲気は一瞬で終わり、
またしても、私の腕はこの男に囚われた。

