先輩が教室を出て行くと、
私は教壇に一人残される形となった。
すっかり注目を浴びてしまった私。
殆ど知らない顔ばかりの教室で、自己紹介もしないうちから目立ってしまった。
教室はざわざわして、みんな私の事を見ている。
みんなの視線が、今はすごく怖い。
もともと人見知り気味なのに、
こんな状態で友達なんて出来るかなぁ・・・
「佐伯は窓際の一番後ろの席だから、とにかく座りなさい」
先生に促され席に向かう。
千紗の横を通る瞬間、小さく手を降ってくれた。
千紗は私の3つ前の席らしい。
「心配したよ」
小声で私に囁く。
あぁ、千紗。
同じクラスで本当に良かった。
これから色々不安だけど、千紗に相談できるから気持ちは楽。
あとでいっぱい、話を聞いてね。
でも・・・
「あれって、噂の生徒会長だよね?」
「あの子いいなーー知り合いになれて・・・」
「なんであんな地味な子がーーー」
どこからともなく、明らかに私の噂をする声が聞こえる。
しかも、声のする方を見ると、私が見た瞬間目を逸らされた。
ちょっとギャルっぽい子や、化粧の濃い子。
あーーー。。。
今まで絡むタイプじゃなかっただけに、難しいかもな。
きっとまだ、みんな悠先輩の事をよく知らないし、
噂が先行しているだけあって、私も噂の的になっちゃうんだろうなぁ。
でも、きっと今は目立っちゃったせいで珍しがられてるだけで、
時間がたてばきっと大丈夫だよね!!
自分が思ってるより、周りは私の事をそんなに記憶に留めていないモンだよね。
うん。

