「おーい!ごめーん!伊藤君!あかり!」 向こうから吉川がやって来て、手を振って来た。 「ごめん!待った?」 「大丈夫。そこまで待ってないよ。」 そう言うと田中が口を挟む。 「おっそい。このアタイを待たせるなんていい度胸してるじゃない。」 “そこまで待ってないよ。” ……素直に言えよ。 可愛くないな。 田中の大回りすぎる言葉は吉川には通じてるようで、少し笑ってから 「ありがと。あたしの家はこっから10分くらいで着くから。」 そう言って歩き出した。