「相手チームのメンバーは近距離攻撃二人に回復一人。俺がまず回復役を抑えるから、結乃は宇佐木を守れ!」
「うん!」
翔が素早く指示を出す。私はその通りに、凰くんと私の周りに結界を張った。だが、相手チームの攻撃メンバーは、私が結界を張るより早く拘束魔法を唱え、凰くんを拘束していた。
「凰くん!」
「…!」
凰くんは体の全てを拘束されているらしく、私に目で合図した。凰くんの視線の先には、もう一人の攻撃メンバーがいた。
「うわっ!」
私はギリギリのところで避けた。どうにか攻撃を受けずに済んだものの、お粗末な結果だ…。
「…コイツがインファントム?…弱すぎ…。」
「悪かったわね…。」
憎まれ口さえろくに叩けない。いくら女子とはいえ、情けないにも程がある…。