「戻る?」
そうシーに聞いたのは、私だった。
「シーは、これでも魔獣なんです。だから、普段は魔界に住んでるんです。俺が呼びだしたら、こっちに来るんですけどね。」
「これでもとは何だにゃ、これでもとは!」
「あ、ごめんごめん。…って、そんな事する必要なかったのに。大げさだな、シーは。」
「…これでも凰の事、真剣に考えてるんだにゃ。」
それは十分に伝わってきた。宇佐木くんの事を、本当に真剣に考えている。
「で、俺が起きるまで何話してたんだ、シー?」
「いろいろとだにゃ。」
「何話してたんだよ、俺に内緒で。」
「…凰の能力についてだにゃ。」