「ねぇ、宇佐木くんに何があったの…?」
「…話しても…いいのかにゃ…。」
「お願い!」
私は濡れた頭を下げた。
「教えて!宇佐木くんに…何があったの!?」
髪の毛が濡れていたが、そんなの気にならなかった。困っている人を見ると、じっとしていられない私の性格を、今のこのシチュエーションは刺激していた。
「…じゃあ、教えるにゃ。でも、まずは家に帰らないとにゃ。」
「教えるな、シー…。何でもないから…。」
「何でもない事ないでしょ?」
シーより先に、私が口を開いた。