「なっ…!」
私の言葉を聞いた途端、先輩は顔を真っ赤にしてのけぞった。
「こここここれは別に俺のせいだから仕方なく…!別にやりたくてやったわけじゃないんだからな!その…って、これじゃツンデレになってる…!俺こんなキャラじゃないし、しかも男子だし…。」
「ぷっ…。そんな先輩始めて見ましたよ。先輩って、男子なのにカワイイ系なんですね。」
「…馬鹿。」
全く、この能力のおかげでこんな出会いがあるなんて、思ってもみなかった…。今はこの能力というきっかけに、感謝してみてもいいかもしれない。私は先輩の赤い顔を見ながら、そんな事を考えていた…。
「ん?」
ふと窓を見ると、空が曇り始めていた。
「…!」
先輩の表情が変わる。
「…宇佐木…心読みのトラウマが…。」
「…どういう事ですか?」
「…戻るぞ。」
そう言うと、先輩は私の腕を引っ張って走り出した。