「ここは…。」
目を開けると、そこは保健室だった。ベッドの横では、新先輩が心配そうな顔で私を見ている。
「新先輩…?」
「結乃!?目が覚めたのか!?」
ずっと私を見てくれていたのだろうか…。心なしか先輩の目が赤いような気がする。
「大丈夫か?」
「あ、はい…。」
「でも、倒れるなんて…。熱とかないよな…。」
そう言って先輩は、自分の額を私の額に重ねて熱を計った。先輩の顔が、今までにないくらい近かった。吐息が、直接感じられた。男子なのに肌は綺麗で、今まで気づかなかったホクロが、先輩の右の頬にあるのが見えた。
「何か熱っぽい気もするんだけどな…。」
「先輩、結構過保護ですね…。」