「本当にやめて下さいっ!」
私は先輩を取り押さえようと、抱きしめた。これ以外に、方法が思いつかなかった。
「なっ…!結乃、お前何して…。ちょっと痛いって。強く抱きしめすぎだ…。」
「もう!…とにかく、部屋は漁らないで下さいね!」
「まだまだ子供だな…。俺みたいな特に何もない男子にちょっと言われるだけでこのありさまとは…。」
新先輩はそう言って、ニヤリと笑った。…案外、男って女より怖いかも…。
「で、何なんですか先輩?」
「何が?」
「何って、私の事を理解するとか…。」
「…そういえば…そうだったかもな。」
「…。」
もはや何も言えない。新先輩の身勝手さには。