「だから、『先輩』じゃなくて『先生』だって。」
そう言って先輩はどこからか取り出した教鞭で私の数センチ右の床をピシャンと弾いた。
「それにしても結乃、男子の服を所持してるって自分から言うなんて、ずいぶん大胆だな。」
「あ、えっと、それはただ、男子っていうのはどういう服を欲しがってるのかなとか…。」
事実を言って取り繕おうとするが、もう遅かった。今度こそ、自分で墓穴を掘ってしまったようだ…いっそこのまま穴に入ってしまいたい衝動に駆られる…。
「これは、部屋の掃除から始める必要がありそうだな…。」
「わーっ!それはやめて下さいよ!」
「問答無用だな。…櫻ヶ城に言いつけるのもアリだな…。」
「ちょっと!それは本当にやめて下さいって!何されるか…。」
このままでは命の危険も…。どうしよう…。